認知症とプログラム

こんにちは。

株式会社エス・スリーのスタッフです。

今日は、身近な認知症の人を観察した結果と、日々の業務からの気づきを書きます。

認知症の症状の一つに、
「なぜその行動をしているのか、はた目からは分からない」
と観察される現象があります。

1例ですが、
突然お風呂場に行って何をしているのかと思えば、
靴下の片方だけを手洗いし、ベランダに置く。
置いたこともすぐ忘れてしまうので、
見ている側としては何がしたかったのか良く分からないことになります。

プログラムの場合、実行命令を与えれば、エラーで止まる以外は最後まで実行されます。
実行中の処理を忘れてしまうということはありませんが、
プログラム自体は「何のためにそれをしたか?」は理解していないはずです。
また、プログラムは過去の記憶をもちません。

こう考えると、認知症の症状は、起動条件(トリガー)が不適切なプログラムに似ている部分があります。

・食べ物以外を食べてしまう→「食べる」処理が食べ物以外をトリガーに起動している
・薬を飲み忘れてしまう→「薬を飲む」処理が起動していない(起動条件にひっかからない)
などなど…

この起動条件というのは、外部の状況によって適切・不適切が決まる部分があります。
最初に作った時は状況にフィットしたトリガーだったとしても、時間がたって環境が変わるにつれ、不適切なトリガーとなることがあるのです。

例えば、お店の予約システムを考えてみます。
システム作成時には、お店にはテーブルが8卓あり、個室が1室あったとします。
この場合、同時間帯で個室希望の予約は1件しか受け付けられないので、「予約」処理は、その時間帯に個室予約が1件も無い場合に起動されます。

しかし、コロナ禍で見知らぬ人との接触を避けたいお客さんが増えたため、
8卓合ったテーブルを減らし、個室を1室増やしたとします。
このとき、先ほどの「その時間帯に個室予約が1件も無い場合に起動」という「予約」処理のトリガーはすでに誤ったものになってしまっています。
個室は2つあるので、「予約が1件以下の時に起動」とアップデートしなければなりません。

少し冗長になってしまいましたが、認知症もこのような側面があるのではないかと感じます。
認知症の人の周りの状況が変化したり、または状況を捉える能力が落ち、
さらに状況に合わせてトリガーをアップデートすることもできなくなっているため、
過去の状況にフィットしたトリガーが発動して結果的に誤った行動に出るのではないかと思います。

つまり、このトリガーを修正できれば良いのでは?と考えているのですがまだ実現はできていません 笑

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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