公共財ゲーム

こんにちは。
株式会社エス・スリーのスタッフです。

今日は、最近読んだ本のなかから気になった、「公共財ゲーム」について書いてみます。
本の中では少し触れられていただけでしたが、
このゲームについて検索してみるとたくさんの事例があります。
少し前によくメディアでも取り上げられていた、「フリーライダー問題」の解決に活用できると考えられています。

フリーライダーというのは、
ある集団の利益を自分のコストを掛けずに享受する人のことです。
例えば、他人が労力をかけて企画した楽しいイベントに参加するだけで何も協力せず、お金も使わない人といったイメージでしょうか。

このゲーム、単純なルールですが奥が深いようでルール設定を調整しつつ何度も研究されています。
一番基本ルールでゲームを行った場合、参加者が協力し合うことで全体の利益は大きくなりますが、
残念なことにこのルールだと、参加者は時間が経つにつれて協力しないようになっていくことが分かっています。
「ほかの人も何もしないなら自分も何もしない」という人間の傾向が浮き彫りになるようです…

ここで、何もしなかった人が可視化されるようになり、罰を与えることができるという追加のルールを導入すると、
協力レベルは跳ね上がります。
他の研究では罰でなく、集団に寄与した人に報酬を与えるルールも調査されています。

結局、人間は報酬か罰が無いと協力し合わないというような身も蓋もない結論に至りそうな気がしますが、
私たちがなんとなく肌感覚で分かっていることも研究で明確になるんですね。

このゲームの結果を身近な生活に当てはめて考えてみると面白いです。
小さい単位では家族や仲良しグループ、少し大きくなると会社の部署や習い事の仲間など、
沢山の事例を考えることができますよ。

例えば4人家族の場合。
家族4人が協力し合いながら生活していれば、当然家族仲は良くなり結束力も高まる、つまり強い「家族」になると考えられます。
対して家族がバラバラに生活していたら、会話が減り仲が悪くなり「家族」という単位の力は弱まるという結果になります。
基本ルールの場合だんだん協力し合わなくなるのだから、全ての家族は崩壊に向かうのではないかと思ってしまうかもしれませんが、
恐らく自然な「罰」や「報酬」が家族にも導入されているのでしょう。

・「家事を妻に任せると妻の機嫌が悪化するから手伝おう」→罰への恐れ
・「子供が努力して受験に合格したからお祝いでご馳走にしよう」→報酬

このような感じでしょうか。
考え出すと本当に奥が深いです。
皆さんも、ご興味があれば「公共財ゲーム」についてチェックしてみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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